ロンドンの大手オークション会社サザビーズで、104万2000ポンド(約1億5400万円)で落札されたバンクシーの絵画「少女と風船」。
落札直後に額縁に仕組まれていたシュレッダーが作動して、絵画がバラバラに裁断されてしましました。
突然目の前で起きたまさかの出来事に場内は騒然として、その様子が世界中に伝えられました。
バンクシーが仕掛けた「史上最高のイタズラ」です。
もともとバンクシーは自分の絵画がオークションにかけられることに否定的だったので、このようなシュレッダーを自ら額縁に仕掛けたとのこと。
ここまで綿密にからくりを仕掛けたバンクシーは天才ですね。
ただ何点か疑問に思われる点もあります。
「額縁の中にどうやってシュレッダーを仕掛けたんだろう?」
「どんなからくりでシュレッダーが作動したんだろう?」
「なんで途中でシュレッダーは止まってしまったんだろう?」
・・・
たしかに不思議ですね。
絵画の額縁にシュレッダーなんて仕掛けられるんでしょうか?
しかもシュレッダーの裁断が途中で止まったのには何か理由があるのでしょうか?
そこで今回は「バンクシーの額縁のシュレッダーの仕組み」について紹介します。
あとシュレッダーの裁断が途中で止まったのは、「じつは失敗だった!」っていうお話もお伝えしますよ!
この記事を読むことで、バンクシーの用意周到さと、オークション会場で起こった出来ごとの裏側を知ることができます!
それでは行ってみましょう!
バンクシーの額縁のシュレッダーの仕組みとからくり
バンクシーの絵画が落札された直後にシュレッダーが作動して裁断されてしまったことについては、いろいろな憶測情報が出ていました。
「あれは本物の絵じゃなかったのではないか?」
「競売会社のサザビーズは知っていたんじゃないか?」
「本当は絵が2枚あって、最初から裁断されたものが出てきただけではないか?」
などなど。
いろいろな疑惑の情報が推測されて流れていました。
ところがそんな憶測情報に対してバンクシーは一切否定。
「あれは本物の絵ではなかったのではないか?」という疑惑に反論しました。
そしてその証拠の動画をバンクシー自らがYouTubeにムービーとして公開したのです。
タイトルは「Shredding the Girl and Balloon - The Director’s half cut(半分カット) - 」。
その動画がこちら。
この動画ではかなり細かく額縁に仕掛けられたシュレッターの仕組みについて解説されています。
どんなからくりになっていたのかを完全に公開したのです。
動画の中での最初の出だしのタイトルは「Shred the Love - the Director’s cut」になっています。
額縁の下の部分に埋め込まれたシュレッダーの歯が回転するパーツです。
2つのローラーが回転することで、これに挟まれた絵が裁断されてします仕組み。
そしてローラーを回転させるためのモーターと電源であるバッテリーが取り付けられます。
このベルトがモーターとローラーを連動させるわけですね。
モーターが回転することで、ローラーも回転して絵が押し流されて裁断される仕組み。
電源部分をしっかりとハンダ付け。
上から見るとしっかりとシュレッダーが額の中に納まっている様子がわかります。
黒いゴムっぽいマットが回転して、絵が流されていくんですね。
そして裏フタの板を固定。
ホッチキスのようなもので中のシュレッダーがわからないようにフタをしていきます。
外から見た感じでは全くわからない絵画が完成!
いやいや、スゴい手が込んでますね!
バンクシーはこの動画を公開して、つぎのようにコメントしています。
「本当は絵がシュレッダーにかけれらていない、と考える人がいるけど、実際にかけられたんです。オークションハウスぐるみで行ったことだと考える人もいるけど、そうではありません」
間違いなくバンクシーが仕掛けた罠だったですね。
バンクシーの額縁のシュレッダーの裁断は失敗で途中で止まった
これだけ用意周到にシュレッダーを仕掛けて準備したバンクシーでしたが、じつはひとつだけ失敗があったのです。
それは落札後に作動したシュレッダーが、何らかの原因により途中で止まってしまいました!
その結果、絵画の裁断は途中でストップ。
本来ならば仕掛けたシュレッダーが最後まで作動して、絵画のすべてをバラバラに裁断する予定でした。
ところが実際には半分しか裁断することができなかったんですね。
そのときの様子をもう一度振り返ってみましょう。
こちらはサザビーズのオークション会場の入口の様子。
「Sotheby's(サザビーズ)」の旗が出て、街並みはいかにも英国の雰囲気。
そして会場の中はまるで映画で見るようなオークション会場。
グラスにシャンパンが注がれていきます。
いかにもお金持ちの人たちが集まっている様子がわかりますね。
オークション前の会場にはバンクシーの絵が飾られています。
「BANKSY」の文字が。
1974年生まれだったんですね。
富裕層の方たちのパーティのひととき。
いかにもお金持ちの集まるパーティって感じですね。
オークションが始まる前からバンクシーの絵は人気です。
そしていよいよバンクシーの絵画の競売が始まりました。
支配人の合図によってオークションがスタートです。
バンクシーの絵はかなりの人気のようです。
電話によるオークションの参加もあるんですね。
時間が経過するたびに、取引値はどんどん上がっていきます。
そして最終的に落札価格が決定しました。
支配人がハンマーを叩いて「落札」を宣言します。
するとそのとき、何者かがリモコンのスイッチをオン!
小型のリモコンのスイッチが押されると同時に、会場に「ピーッ、ピーッ」という警告音が鳴ってバンクシーの絵が・・・。
遠隔操作で動き出したシュレッダーによって、バンクシーの絵が会場で裁断されていきます。
あまりの突然の出来ごとに唖然とする会場。
オークションを仕切ってた支配人もこの表情。
さすが英国人の方は、表情が豊かです(笑)
驚いた表情の女性。
このビックリした表情が素晴らしいですね。
頭を抱える男性。
ガク然としている様子がわかります。
ていうか、「みんな役者?」って思ってしまうほど表情が豊かです(笑)
あわててバンクシーの作品を片付けるスタッフ。
会場は起こった出来事ごとをまだ理解できない様子。
真ん中の男性もいい顔してます。
左側の女性はちょっと半笑いでしょうか。
・・・
と、こんな感じで落札後にバンクシーの絵は裁断されてしまったのですが、本当は半分だけでなく「絵画の全部」がシュレッダーされる予定でした。
何かのアクシデントで半分しか裁断されなかったんですね。
その証拠に、バンクシーがYouTubeに公開した動画の最後には、リハーサルで絵の全部が裁断される様子が映し出されています。
こちらはシュレッダーを仕掛けた額縁で、動作確認のリハーサルの様子。
スイッチオンでシュレッダーが作動し始めます。
絵が額縁から流れ出て、シュレッダーで裁断された状態になっていきます。
そして絵のすべてが裁断されてしまい、バラバラに。
こんな感じでリハーサルでは、絵のすべてが裁断されてました。
最後にはバンクシーらしき人の笑い声が動画には入っています。
なぜか本番ではシュレッダーが途中で止まってしまって、すべて裁断することに失敗してしまったんですね。
バンクシーは今回のからくり動画を公開すると同時に「リハーサルでは毎回うまくいっていた」というコメントも。
本番での失敗を自ら認めていました。
まとめ
バンクシーの額縁のシュレッダーの仕組みについて紹介しました。
また予行演習では絵画が全部シュレッダーで裁断される予定だったけど、本番では失敗して半分しか裁断されなかったことをお伝えしました。
このバンクシーの絵画は、今後も歴史に残る話題になりそうです。
オークションで1億5000万円以上で落札。
そしてその瞬間シュレッダーが作動して裁断され、しかもそれは失敗で半分裁断したところで止まってしまった・・・。
なんてホント映画のようですね。
バンクシーは今後も世界中からますます注目されますね。
あと、バンクシーの絵はなぜ落札後にシュレッダーが作動したのかについて解説してみました。
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